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よく分かる同一労働同一賃金講座

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動画よく分かる同一労働同一賃金講座1
(法改正、ガイドライン編)

よく分かる同一労働同一賃金講座1

よく分かる同一労働同一賃金講座1(法改正、ガイドライン編)

それでは、同一労働同一賃金です。
これは実はこれからですよね。今の国会でほぼ(法案が)通りそうです。

衆議院はもう通過しましたけれども、参議院も今月通ると思います。
いわゆる「働き方改革関連法案」の中に、このテーマが一部入っているということになります。

それでは、このテーマについてお話をしていきたいと思います。
法律が通るとしますと、大企業は2020年4月。今は2018年ですから、再来年、2年弱です。中小企業はもう1年猶予されますから、2021年、3年弱です。

ところがさっき言いましたように、
(中小企業とは)メーカーや建設業は、資本金3億円以下か300人以下です。卸だったら、100人以下か1億円以下。小売業であれば、50人以下か5,000万円以下ということです。案外、大企業として認定される会社が多いです。ということになると来年、再来年。2年弱で対応しないといけない可能性が出てくる制度ということになります。

法律改正の部分とガイドライン案が出ています。
そのあたりを中心にお話をしていきたいと思います。
実は、同一労働同一賃金というのは、これまでにも類する法律というのがありました。今回の改正はそれに対してどう変わりますかということです。

たとえば労働基準法にも書いてあります。
第3条、均等待遇というものがありますが、これは、「使用者は、労働者の国籍、信条又は社会的身分を理由として、賃金、労働時間その他の労働条件について、差別的取扱をしてはならない」となっています。

たとえば、うちがIT企業とします。SEの人たちがいます。SEの正社員がいて、日本人、韓国人、中国人がいます。でも、給与体系は違います、と。これはだめですよ、ということです。要は同じ仕事していますから。国籍みたいなもので、差を付けてはだめですよということです。

もう1つ、第4条には、男女同一賃金の原則というのがあります。「使用者は、労働者が女性であることを理由として、賃金について、男性と差別的取扱いをしてはならない」これは昔からあります。ところが現実は、女性の方が結果としては平均すると給与が低いですね。女性だからという理由で低いわけではないとはいえ、結果として低いということは、いろんな要因があると思います。これらの法律は、国籍を理由として、女性であることを理由にして、給与低いみたいなことは認められませんよ、と。もうすでにこれはあるのです。これは古くからあります。

で、ここ近年で出てきたのは、先ほどの労働契約法の改正です。
20条にあります。「有期労働契約を締結している労働者の労働契約の内容である労働条件が、期間の定めがあることにより」要は、有期社員であることにより。「同一の使用者と期間の定めのない労働契約を締結している労働者」要は、正社員です。と、労働契約の内容で、違う場合において、「労働者の業務の内容」仕事の内容、あるいは「責任の程度」責任の重さ、あるいは「業務の内容及び配置」の変更、要はさっきの職種転換だとか転勤だとか。ということを「事情を考慮して、不合理と認められるものであってはならない」

ちょっと分かりづらいですね、この後具体化していきます。
要は仕事が一緒です、と。転勤あるなしも一緒です、と。職務転換あるなしも一緒です、というなら不合理な差を付けてはだめですよ、ということ。有期社員であることを理由に。

あと、パートタイム労働法です。「職務の内容及び配置が当該通常労働者の職務の内容」これは正社員ですね「の範囲と同一の範囲で変更されると見込まれるものについては、短時間労働者であることを理由として」賃金、あるいは、教育、福利厚生、その他の待遇について、差別的取り扱いをしてはならない。

労働契約法20条は有期社員であることを理由にして、パートタイム労働法第9条はパートタイム、短時間労働であることを理由にして、不合理であってはならない。ということが定められています。ここまでは既にあります。今回の法改正ではなく、もう既にあるのです。
ところが、ちょっとわかりづらいですね。

現在、判例がいろいろ出てきています。家族手当は出さないとだめだとか。この前もあった、定年再雇用後の給与を下げていいかどうか、みたいな話は、一応この法律(労働契約法20条、パートタイム労働法第9条)に拠っているのです。まだ今回の法改正は、決まっていませんから。今までの法律でいうとこの辺りをベースにして、どの程度だったらOKなのか、っていうのが、今判例が出ています。ここまでは今までありました。

で、今回の法改正はというと、今のパートタイム労働、労働契約法、労働派遣法を、合体したような感じになっています。

ここを見ていただきましょうか。「短時間・有期雇用労働者に関する正規雇用労働者」正社員ですね「との不合理な待遇の禁止に関し、個々の待遇ごとに当該待遇の性質・目的に照らして適切と認められる事情を考慮して判断されるべき旨を明確化」しましたよ、と。

ですので、有期労働者ですね、「有期契約労働者について」は、仕事内容、職務内容、あるいは今の職務、あるいは今の配置の「変更範囲が同一である場合の均等待遇の確保」を義務化しましたよ、と。だから有期社員という理由で、給与を下げたりしたらだめということですね。

で、派遣社員も書いてあります。
ただ、ここがやっかいなのが、比較対象が2つあるので。派遣社員の人っていますね。みなさんの会社も。派遣社員の同一労働って誰と比べるのですか。派遣会社の社員ですか、違うのです。派遣先、みなさんの会社の社員です。要はみなさんの会社の経理部門に派遣されている人だったら、みなさんの会社の経理部門の人たちと同じ仕事をしてもらうわけです。同じ仕事というか同じ部署の仕事をしているわけです。

となるとたとえば、パソナとかリクルートじゃなくて、みなさんの会社の人たちと比べる。比べて、派遣先の労働者と均等・均衡の待遇にする。でも現実的ですか。ありえないですね、これは。だってみなさんの会社のその人たちの給料をオープンにするのですか、と。派遣会社にね。しませんよね。

だから2つめ、一定の要件、たとえば同種業務の一般の労働者の平均的な賃金以上であること、みたいなことを満たすことで、労使協定(による待遇を確保する)、要は労使協定っていうのは、派遣会社がその人たちと、派遣社員と結ぶわけですけれども、要はそっちを取る、と。ほぼそれしかないと思いますが、どちらかを義務化しています。

多分、ほぼ2つめを採ると思います。だって、派遣会社があって、たとえばパナソニックに(派遣社員を)出す場合、中小企業に出す場合、当然正社員で比べると給与倍ぐらい違う、と。そこに合わせなさいとなったら、どこに派遣するかによって派遣料が全然違うとなってくるわけですね。ありえないですよね。そうなると、こっちの2番目の方法を採ることになりますが、こういったことも今回の法律には明記されました。

で、さっきの合理的か合理的ではないかですね。わかりづらいですから「ガイドラインの根拠規定を整備」しましたよ、と。このガイドラインが効いてきます。

もう1つは、「労働者に対する待遇に関する説明義務」が必要になりますよ、と。たとえば、パートタイムの方とか派遣社員、契約社員の方に対して、正社員の人と待遇差ありますね。その理由とか内容に対する説明が要求されます。どうしてか聞かれたら、こういう理由がある、と。こういう違いがあるから、と説明義務化されるというのが1つ。

もう1つは、紛争があった場合の解決手段みたいなのが書いてありますが、最初の「不合理な待遇差を解消するための規定の整備」が、今回のメインということになってきます。

中身を見ていきましょう。今回の法改正の中に、入っています。同一労働同一賃金に関係するものが。不合理な待遇かどうかっていうのをどうやって見るのですか、と。これはわかりづらいところです。これはガイドラインで示しますっていうのが1つです。ガイドライン案がもう出ています。まだ案ですが。これから正文化されます。

で、もう1つは、個別の案件、これOKこれはNOということについては、裁判所で決めますよっていう話です。ただ、そうはいっても前倒しで、決まってきています、いろんなことが。ですから、より重要なのはこのガイドラインと裁判です。というのは、法律を見ても、よくわかりません。

今回、改正が行われるのは、労働契約法20条をやめて、先ほどのパートタイム労働法と合体して、「短時間労働者及び有期雇用労働者」の改善の法律に変える。だから、まずは一緒にしましたよ、というだけです。

で、同一の事業所に雇用される正社員と比較するというところから、同一の雇用主というところに変更します。何を言っているのかというと、たとえばある営業所で、「私この正社員の人より給与低いです」っていうような話をしても、そこでちょうど同じような仕事をしている人は少ないかもしれませんね。営業所とか支店だと。そこで、その会社全体で見ますというように変えましたということなのです。変更して、職務内容・責任の程度とか、職務内容・配置の変更範囲、その他の事情を考慮して、不合理な待遇を禁止しますと。

だから、対象者が少し広がったという感じですかね。訴えやすくなったみたいなことです。もう1つは「通常の労働者との均衡」これは正社員ですね、正社員との均衡を考慮しつつ、その雇用に関する、雇用する短時間有期雇用労働者の職務の内容、職務の成果、意欲、能力又は経験等を勘案し、その賃金を決定するように努めましょう、と。

要は、仕事内容で給与決めるのは良いけど、パートタイマーだからとか、有期社員だからとかいう理由で、差を付けるのはだめですよという話です。でその具体的なものはガイドラインで示しますし、あるいは個別案件は裁判所で決めます、というのが今回の改正です。

で、ここで1番大事なのは、この部分。基本給、賞与、その他の待遇(手当・休日等)のそれぞれについて、待遇の性質及び目的に照らして適正かどうかを見ます、と。これが大事、この「それぞれ」、これだけマーカーを引いておいてください。

いいですか、たとえば、うちは契約社員には大体(正社員の)8割ぐらいの給与を払っています、と。だからまあまあバランスはとれている、と会社は思います。ところが「この手当を出してない」とか、「いや、賞与出してないでしょ」とか。1個1個見られます。だから、トータルで8割だからOKというのではなくて、これはどうですか?これはどうですか?って、1個1個見られるというのが、大きな点です。

実際、今、裁判の結果も、そういう方向に来ています。だからこれはOK、これはどうか、という感じになっています。これがちょっと大変です。会社として対応しないといけません。

で、労働派遣法の改正もあるのですが、さっき言いましたように、みなさんの会社も、派遣の人を受け入れていると思うのですが。派遣元、派遣会社の中でちゃんと適切かどうか、ということを検討することになります。

但し、通勤手当を出してない派遣の人は多いです。派遣の会社の人が。そうなってくると通勤手当は出しましょうという話になってきます。そうなると、みなさんの会社にとって何が影響するかというと、派遣料が上がりますね。もうすでに上がってきていますね。これからもっと上がります。

いいですか、ですから今まで、たとえば、派遣の人に月20万円で来てもらっていたというのが、今度25万円とかね。上がっていく可能性が高いです。それでも受け入れますか、いや、もう直接雇用しますか、みたいな話です。ですから派遣労働の問題については、みなさん受け入れ側の会社からいうと、派遣料金が上がっていく方向にある、と思っていただければよいかと思います。もうすでにその傾向が出てきています。

で、パートタイム労働者に加えて有期社員に対しても、雇入れ時の待遇の内容等に関する説明、あるいは、求めがあった場合にそれに対する説明というところが必要になってきます。ですから今後具体性のあることが出てくるとなると、「ちゃんと説明を受けていません」とか。「聞いたけど、はぐらかされました」とかそういうことになるのだと思いますが、それは義務化されるということが出てきます。問題があった時にはどうしますかというのは、割と対応しやすいような形で、訴えやすくなるということです。

で、ここまで見ていただくとわかりますけども、「同一労働同一賃金」という言葉は一切出てこないです、今回の法律改正には。なのに、何となく「同一労働同一賃金」が新聞にも書いてありますし、テレビにも出てきます。

で、正確には「非正規社員の差別的待遇禁止法案」だと思います。これけっこう大事なことを言っています。今回の趣旨が、正規・非正規の格差是正以外の要素は、全く含まれていないのです。

A社があります。みなさんの会社。たとえば、正社員の人がいます、非正規社員のパートタイマー、契約社員の人がいます、と。
また、B社があります。この会社にも、正社員と、非正規社員の人がいるかもしれません。

今回の法律改定は、あくまでもこの差(正社員と非正規社員)を言っているだけです。あなたの会社の正社員と非正規社員の間に不合理な差はないですか、ということを言っているだけです。

「何となくそうかな」ということを思っておられると思うのですが、たとえば、ヨーロッパだと、A社の正社員とB社の非正規社員の差どうですか?A社の正社員とB社の正社員の差どうですか?と。こんなことを言われます。

たとえば、ドイツなんかは、産業別の組合組織があるわけです。それが「大体この仕事内容だったらこれぐらい」という賃金相場みたいなものがあるわけです。するとある程度、他社との同一労働であれば同一賃金みたいな考え方があるわけですけど、日本は関係ないです。よその会社はよその会社ですから、という考え方です。

あるいは、正社員の間にも当然、差はあるわけです。たとえば、同じ仕事をしているのに給与に差があったりするわけです。でも今回の法律は、ここの差については言いません。だから「同一労働同一賃金法」ではない。

あくまで1社の中の正社員と非正規社員の待遇格差を是正するということです。

これが第Ⅰ部で言いましたように、今では全体の4割が非正規社員になっています。当然給与水準が低いですから、そういう人たちで会社は賄ってきたわけです。

今回はそれの揺り戻しですから。非正規社員の待遇を引き上げようというために、この同一労働同一賃金というか、この法案の改正がありますので、あくまでも非正規社員の引上げです。この人たちの引上げということが目的になっています。

ちょっと回りくどいですね。もしそれだけが目的なら、たぶん、「最低賃金1,200円にします」の方が、即効性があります。引き上げざるを得ませんから。ところが今回の法改正だと、いや、同一じゃないのですとか。いろんなケースがあります、これは同一なのかとか。これはOKなのかとか。

たぶん、もしそれだけが目的なら、そっちの方がシンプルだったと思います。配偶者控除をなくすとか。103万の壁が、今は150万になりましたけど、あれを取っ払うとか。そんなことの方が良かったと思うのですが、同一労働同一賃金の原則に沿って、非正規社員の待遇を引き上げていこう、ということが、今回の趣旨であるということになります。これは、大事なところです。この後、話が進みます。

ところが、法律には一切出てこないですが、ガイドラインの方は、「同一労働同一賃金ガイドライン案」です。だから、こっち(法律)には書いてないけども、そっち(ガイドライン案)には載っていますね。なんかちょっと変てこなんですけど、だからやっぱり同一労働同一賃金ということですね。この原則を守って行きましょうという話です。

動画よく分かる同一労働同一賃金講座2
(よくある疑問編)

よく分かる同一労働同一賃金講座2

よく分かる同一労働同一賃金講座2(よくある疑問編)

よく聞く質問に対しての回答を、Q&A式で出させていただいています。

同一労働同一賃金って何ですか。要は同じ仕事内容であれば、同じ賃金にしなさいという考え方。なんとなくわかりますね。ところが、同じ仕事の内容であれば、同じ給与にしなさいということかいうと、ちょっとそうではないですね。

例えば、営業職。これも1つの仕事ですね。ところが、できる営業職とできない営業職がいます。これを同じ賃金にしなさいというわけじゃありません。よく同一労働同一賃金の反対意見として、できる人が割を食うのではないか、と。この差は構わない。例えば、仕事ができるということでその人たちの給料が高い。責任が重いということで給料高い、これはOKです。

「難易度や能力、成果によって」差を付けることはいいです。ただし、同じように実績を挙げているのに、正社員だ、非正規社員だという理由だけで、あるいは、男女、国籍みたいなことだけで差を付けてはいけないということです。

要は、仕事内容で給与に差を付けるのはOK。仕事以外の差で付けたらだめですよと。だから、本当はこれでいうと、年功賃金って違法じゃないかなと思うのですが、そこまでは言っていません。一応それぐらいは認めています、ということになっています。

ただしその正社員かそうじゃないかだけで差を付ける、っていうのはだめですよ、というのが今回の趣旨です。で、何のために日本でやるのですかというと、今申し上げた通りです。「正社員と非正規社員の待遇格差是正」、要は非正規社員の待遇改善が最大の目的である。

ただし、ヨーロッパではですね、もっと前から、議論がスタートして、もうすでに定着しています。そのときの論点は男女差です。今でも問題視されていますけど。男女格差を是正しようという目的でスタートしたので、スタート地点が違うのです。

で、もう1つは日本の場合は各社内で是正しましょうね、と。そうすると、次はこういう問題が出ると思います。例えばイオンがありますね、皆さんの家の近くでもね。で、街のスーパーがあるとします、それはもう正社員の給料は差がありますね。大企業と中小企業ですから。ところが、パートさんの給料ってどこも一緒でしょ。950円だったらこっちも950円ですから。場合によったら、地元のスーパーの方がちょっと高くしないと来ないから、1,000円に設定しているところもあります。

だから、実は非正規社員こそ、同一労働同一賃金が実現しています。いいですか、コンビニ行きますね。たぶん、高校生はちょっと安いですけど、22歳の大学生、40歳の方であろうと、同じ時給950円ですよね。入社当初はね。能力があったら上がっていきますけどね。ということは、同一労働同一賃金は、非正規・パートタイムは、実現しているのに、今度崩そうとしていますよ。ですね?

正社員の給料が高い会社のパートタイムの人は給料上げなさい、でしょ。考え方はね。そうすると今度は、非正規格差が出ると思います。真面目にやっていったら。今まで一緒だったのがね。そうなると、例えば、大手の会社に勤めるとパートタイムでも1,600円、中小に行くと950円、と。ますます大手に人が集まるかもしれません。このような懸念はありますが、まずは何とかして、非正規の人の待遇を上げようというのが目的です。

3つめ、「同一価値労働同一賃金」です。「価値」っていうのが入っています。実は、世界的にはこっちがスタンダードです。同一労働同一賃金じゃなくて、同一価値労働同一賃金、ですね。これはどんなことかというと、ヨーロッパではこの考え方なのですが、「同一価値労働同一賃金」という表現の方が一般的です。

例えば、さっき言ったように男女差を埋めようとします。そうすると男性が得意な仕事と女性が得意な仕事があるとしますね。力仕事みたいなのが、男性が得意だとか。美容みたいなのが、女性が得意だとすると、それに値札付けたらどうしますか?結果として、仕事内容が違うからという理由ですけど、男性が得意な仕事に給与を高くすることが可能ですね。

これを防ごうということで、例えば知識のレベルとか、技能レベルとかいくつかの基準で職務を判定する。そうすると、例えば、トラックドライバーと、美容の仕事を分析してみると同一の価値がありますね、といったことを測る訳です。

仕事内容は違うけども、価値で測ってね、と。要は、これは意味合いとしては、男女差をなくすためにやっていることです。だからこういう考え方がベース。ただし、今回はあまり考えなくていいです。今回の法律はここまで言っていないので。同じ仕事内容であれば同じ賃金にしなさい、正社員と非正規社員の待遇格差是正が最大の目的、と見ておいていただいたらよいかと思います。

もう1つは、さっきのトラックドライバーの人と美容の仕事、エステティシャンが、仕事内容の価値が一緒かどうかは、なかなか判断しづらいですから。そういう面でいうと、同一価値労働っていうのは、証明するのは、なかなか難しいかもしれません。ちょっと、同一価値労働同一賃金は忘れて頂いてもよいかと思います。こういう言葉があるっていうことぐらいは覚えておいてください。

みなさんの疑問は、「同じ仕事ってどう判断するの」ということですね。例えば、営業職とか、製造職っていうのは、まず職種で分かれます。また、責任の違いも当然ありますね。

同じ製造職、生産部門にいるとしても、この正社員は最後の品質責任まで負っている、ということとか。あるいはちょっと難しい仕事やってもらっている、難しい製品になったらやっぱり正社員がやります、とかね。いや、求められる能力が違うのです、とかね。というようなことの違いがあれば当然やっぱり違いますね、ということが認められる。だから、同一ではない。

いや、これ完全に一緒ですね、っていう場合は同一です。ただ、今みたいな要素があれば、違いますね、と。ところがここは、なかなか難しいところです。ですから、ここは同一なのかどうかということについては、裁判ごとに、いろんな判断がなされると思います。逆にいうと、賃金差、例えば正社員と非正規社員の場合、契約社員の場合で、差を付けておこうとするのであれば、ここが違いますよということが会社として説明できなければいけない、ということになります。

あと、転勤ありかなしか、といった話です。これどれぐらい差をつけたらいいの、っていうような。これから、話題になろうかとは思いますが、先ほどの調査データのように、平均10%とかね15%の差というのが多いですよ、というような話にはなってきます。

次に、非正規社員の待遇改善は、正社員の賃金引下げにつながるのではないか、と。これも反対している人の、理由に多いですね。正社員の給料が、非正規社員の給料で基本給こうだったら、こう下げるのでは?と。さっき言ったように、この法律だけなら、これOKですね。でも、そんなことできないっていうのは、みなさん大体おわかりですよね。不利益変更になりますよね。だから、同一労働同一賃金的にはOKかもしれませんけど、不利益変更っていう、かなり強いものがありますから、じゃあ、下げますよ、と。そんなことができるわけがない。すぐには、ですが。

政府内で議論をしていたときにも、正社員の引下げで同一にするというのは、これはあってはなりません、と言っていますよね。ところが、正社員そのままで、非正規だけ上げると、その分の人件費が増えるわけです。確実に。

で、それに対して、国はどう言っているかというと、生産性アップで、吸収しましょうよ、と。これはいいですね。すごくきれいですね。きれいだけど、生産性なんて上がるのですかという話ですね。上がるなら今までにもう上がっていますよね。

ということになるので、それが耐えられなかったら、例えば、損益すれすれの会社もありますよね。その会社赤字出してでも、これ実現しないといけないのですか、という話。そうすると、当然、普通の経営者であれば、正社員の賞与を抑えるとか。非正規が上がった分正社員で帳尻合わせようとしますね。人数減らすとかね。だからやっぱり、結果としては、正社員にも影響する、と。

儲かっている会社は別ですよ。それぐらい上がってもかまわない、という会社は別ですけども。当然、コストが上がった分吸収できたらよいですよ。業績とか収益でね。そうじゃなかった場合は、当然正社員にも影響してくるっていう話です。

実は、オランダは、この問題に取り組んだ先進国ですけども。この場合は、正社員が我慢しました。昇給とか。我慢する代わりに非正規の方が上がってくるのを。自分たち我慢するから、非正規の方を昇給してみたいなことについて協定を結んでやりました。

だから、本来はそこまでしないといけないと思います。ところが、安倍政権は、3%昇給しましょう、と言っていました。要は、正社員ももっと上げてくれ、と言った。景気上げるために、いや、正社員を上げたらまた差出るじゃないですか、っていう話ですけれど。

だから本当に実現させたいのなら、正社員抑えといてもいいから、非正規の給与を上げようとか。そこまで言うのであれば、良いかなと思いますが。ちょっとここは、正規社員にも、非正規社員にも良い顔をしているような感じがあります。

ところが、ここの質問に対しては単純に正社員の賃金を下げるということはできませんよ、と。でも、吸収できなかったら、結果として、そうなっていく可能性もありますということです。

先ほどから何度か言っています。同一労働同一賃金のガイドライン案が、2016年に出ました。去年、一昨年の暮れに出ましたので、見ておられる方も多いと思います。

この後、ポイントを解説していきますけども、法律では合理的ですか、とか不合理性はないといった表現ですから、わかりづらいです。だからできるだけ具体例を用いて、出してきたのがガイドライン案です。

まだこれは案の段階なので、それだけで行政指導になることはないけども、今度は正式なものになりますから、今度は法律が通って、ガイドライン案の「案」が取れますから。その時にはそれをベースに、従業員側もそれを見てですね、「これあきらかに、うちの会社おかしい」というようなことが分かりますから、それが、導入されるというようなことになります。

山口 俊一

講師紹介山口 俊一 | 人事戦略研究所 所長

人事コンサルティング、講演、執筆活動を中心に活躍している。職種別人事をベースにした独自の発想と企業の実状に沿った指導により全国からコンサルティング依頼を受け、定評を得ている。現在までに中小企業から一部上場企業まで、社以上のコンサルティング実績を持つ。主なコンサルティングテーマは人事評価・賃金制度の構築、組織運営など。