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同一労働同一賃金 導入・法対応事例2「定年再雇用者処遇を重点的に改善」
2019/12/13
物流業B社(大企業:2020年4月法適用)
- 拠点:本社、3支社のほか、全国に物流拠点が8箇所
- 正社員数500名、定年再雇用社員40名、フルタイム契約社員数450名、パート社員数30名、派遣社員数150名
- 定年再雇用社員、契約社員、パート社員の主な仕事:物流倉庫内の商品管理補助、出荷補助
同社はこれまで、慢性的な採用難の影響もあり、契約社員やパート社員については、積極的な賃金水準改善に取り組んでいた。しかし、定年再雇用者については、初任給並みの月給水準に加え、賞与を一切支給していないなど、極めて低い待遇となっており、対象者からも不満の声を聞くことが多かった。そこで、現状分析の結果、定年再雇用者の待遇改善に重点的に取り組むこととなった。一方、派遣社員については、派遣会社の改善方針を待って、対応を検討することにした。
■現状の処遇比較
【主な改正点(正社員は変更なし)】
- 定年再雇用者の月給は、定年前基本給の70%水準に引き上げ、必要に応じて給与改定を実施する。(下限22万円)
- 定年再雇用者の賞与制度・人事評価制度を新設し、年間2.0ヶ月分をベースに人事評価により決定する。
- 契約・パート社員に、3ランクの職務等級を導入し、キャリアアップのしくみを設ける。
- 契約・パート社員の基本給は、倉庫(地域)ごとに等級別の賃金表を設定し、職務評価により定期昇給を実施する。
- 退職金、扶養家族手当については、判例や他社動向などを見た上で、再検討することとした。
- 傷病休業期間は正社員に合せるが、契約期間を上限とする。
- 慶弔休暇、慶弔見舞金は慶弔規程の中に、新たに契約社員・パート社員区分ごとに日数および金額を設定する。
- ポイント制福利厚生は、有期契約者は正社員の半額、無期契約者は同額を支給する。
- 再雇用者、契約・パート社員用にそれぞれ「正社員との待遇差についての説明資料」を作成した。
■改正後の処遇比較(赤字が改正点)
以上の改正により、年間約5,500万円(再雇用約3,000万円、契約・パート約2,500万円)程度の人件費増を見込んでいる。
この他、派遣会社から平均10%程度の派遣料値上げ要請が来ており、500~600万円程度の人件費増が予想される。