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契約社員に退職金なし、不合理と認めず 最高裁初判断 (日本経済新聞)

2020/10/13

東京メトロ子会社の「メトロコマース」の元契約社員が退職金の支払いを求めた訴訟の上告審判決で、最高裁第3小法廷(林景一裁判長)は13日、同社側が退職金を支給しなかったことが「不合理な待遇格差」には当たらないと判断した。

【出所】日本経済新聞社(2020.10.13)

【URL】https://www.nikkei.com/article/DGXMZO64929970T11C20A0000000/

  

<山口コメント>

大阪医科大のアルバイト賞与に引き続き、メトロコマースの退職金についても、最高裁は 却下しました。「不合理な待遇格差ではない」という判断で、いずれも高裁判決を完全 否定したかたちになりました。
コロナ禍の企業経営環境にも幾分配慮したようにも感じますが、次のような疑問は拭えま せん。

1.いずれも改正前の労働契約法20条が判断基準になっており、今年より改正された パート・有期労働法の「基本給、賞与その他の待遇のそれぞれで判断」という条文で争えば、今回と異なる結論となるのではないか。

2.厚労省のガイドラインに明記された「賞与が会社業績貢献で支給される場合、正社員と貢献が同一なら同一支給、一定の違いがあるなら相違に応じた支給をしなければならない」という記述は、全く無視していいのか。

3.派遣社員の「労使協定方式」では、賞与、退職金まで盛り込んだ賃金額となるよう行政指導したこととは、矛盾しないのか。(派遣社員と契約社員、パート・アルバイト社員の新たな格差問題では)

いずれにせよ、地裁→高裁→最高裁と、逆転に次ぐ逆転の判決となっており、今年4月から の法改正に合わせて、非正規社員の「賞与」や「退職金」を整備した大企業は、元に戻す のか。(今度は、不利益変更の問題が。また、改正後のパート・有期労働法で、訴訟を 起こされた場合のリスクは残ったまま)

企業経営者や人事担当者にとっては、今回の最高裁判決は正直ホッとしたと思われる反面 悩みは継続するのではないでしょうか。