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調査データ(詳細版)同一労働同一賃金に関する企業の取り組みアンケート調査結果

2017年10月19日

 株式会社新経営サービス 人事戦略研究所では、人事情報サイト「日本の人事部」の利用者を対象に「同一労働同一賃金に関する企業の取り組み実態」について調査を行いました。総務・人事部門を中心に248名からの回答を得ました。

調査期間 2017年8月~9月
質問の構成
・質問数
全22問
・質問の区分
「回答者属性(3問)」「認知度(2問)」「自社への影響度(2問)」「取り組み度(13問)」「本人意見(2問)」
回答者属性
・アンケート回答者数
248名
・回答者の所属部門構成
総務・人事部門190名、経営企画部門22名、営業部門7名、経理部門5名、教育部門4名、その他部門20名
・回答者役職構成
役員23名、部長クラス37名、課長クラス76名、
主任・係長クラス50名、役職無し62名
・回答者企業従業員規模
従業員数300名以上:122件
従業員数300名未満:126件

調査データレポート内容

認知度について

 「認知度」のカテゴリでは、「法制化の動きについて知っていますか?」「同一労働同一賃金ガイドライン案の内容を理解していますか?」という2つの質問を行った。
 法制化の動きについては、「知っている」(「よく知っている」「一通り知っている」「知っているが内容は理解していない」)と答えた人が94.7%となったが、ガイドライン案の内容については、「理解している」(「よく理解している」「ある程度理解している」)と答えた人は53.7%に留まった。

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自社への影響度について

 「自社への影響度」のカテゴリでは、「法制化の動きは、自社に影響があると予想されますか?」「法制化された場合、あなたの会社の総額人件費にはどのような影響が予測されますか?」という2つの質問を行った。
 自社への影響有無については、「影響がある」(「大いに影響がある」「ある程度影響がある」)と答えた人が67%となった。総額人件費は、「上昇する」(「大きく上昇する」「上昇する」)と答えた人が62.1%、「変わらない」と答えた人が28.6%となった。

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取り組み度について

 「取り組み度」のカテゴリでは、「法制化された場合の自社で取り組むべき課題」とガイドライン案にて記されている、「基本給」「賞与」「役職手当」「精皆勤手当」「時間外・深夜・休日手当割増率」「通勤手当・出張旅費」「食事手当・食事補助手当」「地域手当」「福利厚生施設の利用」「慶弔休暇」「教育訓練」に関する自社の対応、「改定完了時期」について質問を行った。

【法制化された場合の自社で取り組むべき課題】

「職種定義・職種区分の細分化」が24.7%と最も多く、続いて「生産性の向上」が18.9%、「非正規社員の賃金引上げ」が18%、「社員の理解促進」が17.9%となった。
自由記述では、「管理職教育の徹底化」「年齢に応じた賃金の見直し」「業務内容、量、質に応じた賃金制度の構築」などの意見があった。

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【「基本給」に関する対応】

「既に改定済である」と答えた人は2.1%、「改定する方向で検討している」(「改定することが決定している」、「改定する方向で検討している」)と答えた人は14.4%と低い数値に留まり、「まだわからない」と答えた人が64.2%と大勢を占めた。なお、無効と思われる「非正規社員はいない」という回答については除外した。

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【「賞与」に関する対応】

「既に改定済である」と答えた人は0.4%、「改定する方向で検討している」(「改定することが決定している」、「改定する方向で検討している」)と答えた人は13.7%と低い数値に留まり、「まだわからない」と答えた人が67.6%と大勢を占めた。なお、無効と思われる「非正規社員はいない」「該当する賞与は支給していない」という回答については除外した。

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【各種手当への対応】

「役職手当」、「精皆勤手当」の項目では約70%の人が「まだわからない」と回答した。「時間外・深夜・休日手当割増率」、「通勤手当・出張旅費」の項目では、半数の人が、「もともと処遇差はない」と回答した。
「食事手当・食事補助手当」は、「もともと処遇差はない」、「まだわからない」と答えた人が半数だった。「地域手当」では、約60%の人が「まだわからない」と回答した。
なお、無効と思われる「非正規社員はいない」「該当する手当はない」という回答については除外した。

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【その他制度への対応】

「福利厚生施設の利用」、「慶弔休暇」は、「まだわからない」と答えた人が半数となった。「教育訓練」は、「もともと処遇差はない」と答えた人が半数を超える結果となった。なお、無効と思われる「非正規社員はいない」「該当する仕組みはない」という回答については除外した。

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【改定の完了時期】

「基本給」「賞与」「各種手当」「その他制度への対応」に関して、「既に改定済みである」「改定することが決定している」「改定する方向で検討している」と答えた人に、「全ての改定が完了する時期を聞いたところ、47.8%の人が「まだわからない」と回答し、「2018年3月までに完了予定」と答えた人が17.8%、「2019年3月までに完了予定」と答えた人が、16.7%という結果となった。

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本人意見について

 「本人意見」のカテゴリでは、「同一労働同一賃金法案についてあなた自身は賛成か?反対か?」「賛成の理由・反対の理由は何か?(自由記述)」という2つの質問を行った。
 賛成・反対については、「賛成」(「賛成」「どちらかといえば賛成」)と答えた人と、「反対」(「どちらかといえば反対」「反対」)と答えた人がほぼ半数ずつとなり、回答が割れる結果となった。
 賛成理由は、「同じ仕事であれば、賃金は同一であるべき」「非正規社員のモチベーションアップにつながる」といった意見が多かった。一方で反対理由としては、「何を持って同一労働とするのか曖昧だから」「日本の雇用慣習において欧米型の考え方は馴染まない」などの意見が目立つ結果となった。

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【賛成・反対の理由に関する自由記述(抜粋)】

●賛成と答えた人の理由

・そもそも雇用格差は能力の差でそうなっているわけではないし、成果の有無で評価・処遇は決まるべきである。成果を出し、会社への貢献意欲のある社員の有無が会社の成長・発展につながると考える。

・正社員の中でも10年目と3年目で同一労働でも、勤続年数が処遇に大きく影響しているため給与の差が埋まらないケースがあり不満に思ってやめていく若手も多いため。一般職からの総合職転換者で総合職業務をこなしていない人が自分より高い処遇であるとモチベーションが下がるし、逆に自分がベテランの立場になったとしても後輩や非正規社員が同一の業務内容をこなしていれば同賃金に納得できるため。

・定年後、雇用延長者が今までと同じ仕事をして賃金が半分となっていることは問題だ。

・能力・経験はあるが働き方を選択したことによりアルバイトなど非正規の方の賃金が低いというのはおかしいと思う。今後の多用な働き方を考えると短時間であっても同じ業務処理能力のある方は同じ水準であるべきだ。

・メーカーであるが、製造工場等では全く同一の仕事を異なる立場の人間が行っており、待遇の差で仕事に関するモチベーションの低下が見られているため。


●どちらかといえば賛成と答えた人の理由

・ノーワークノーペイの原則からしても、労働価値に対して公正であるべきと思う。

・完全に同一価値労働であれば、同一賃金にするのは賛成。ただし実際には正社員と有期雇用者では働く姿勢や意識の差や、転勤の可能性有無など、正社員に求める期待と有期雇用者に求めるものには差があることの方が多いはず。ガイドラインの内容だけで線引きするのが適切か疑問だ。

・現在の労働市場において、正社員(正規ルート)から一度外れたら戻る事が難しい状況が継続している。就職氷河期世代への救済措置の一環として、人手不足の対策として企業が積極的に対応する必要があると考えるが、該当する非正規社員となる対象者への周知があまり浸透していない事が気がかりである。双方の理解があって初めて不公平感の解消が成されると思うので、何か広報対策を打つ必要があると考える。

・法制化の趣旨については、理解できる。しかしながら、現場をあずかる立場としては、職務や責任の範囲など線引きなど時間が必要となる部分もあるのが正直なところ。一方で日本は非正規の処遇差で競争力を保ってきた部分もあるので、大きな転換期と感じる。法律を逆手に権利主張を迫ってくる社員が増え、会社側がネガティブなイメージを持つことは避けなければならないと思う。

・自社ではないが、他のところの話を聞くと、非正規の人の方が正社員よりもよっぽど仕事ができる、といった話も聞く。職務内容・責任ともに正規社員と同等かそれ以上のことを担当しているのに、処遇だけ下に扱ってはモチベーションに響いてしまうと思う。

・全く同じ仕事内容であれば、同じ給与にするというのは当たり前のことだと思う。逆に言うと、正社員と非正規社員の仕事内容に明確な違いがある事を定義し、きちんと当事者に説明・自覚を持たせておけば、差がある事について理解・納得できると思う。


●反対と答えた人の理由

・そもそも”同一労働”という考え方がファジーなものであるのに、そのファジーなものに基づいて賃金が確定するということが分からない。

・もともと日本企業における賃金決定の基準は労働の価値ではない。同一労働の観点からいえば、正規社員と非正規社員の賃金格差よりも、正規社員間格差の方が大きい。労使の対等かつ自由な契約に任せるべきである。

・多くの日本の賃金体系は、職務給のような同一労働同一賃金を想定していないため、正社員間でも給与にばらつきがある。それを一律に正規・非正規にかかわらず同一にしようとする法案にそもそも無理がある。

・人件費総額の上昇が、結果的に正規・非正規社員全体の賃金圧縮につながる可能性があるため。

・賃金決定は企業側の自由であり、処遇に於いて不利な企業は市場原理の中で淘汰されるべきであると考える。したがって、国が関与しなければならないのは国民の健康で安全な最低限の生活を守るための施策であるべきで、それ以上を望むのであれば競争原理を働かせないとどこかで無理が来る。

・特に男女差を無くす等という意味での同一労働同一賃金という考え方には大いに賛成するが、法制化には反対である。欧米が「仕事」基準の「職務給」が標準的であるのに対し、日本では「職能給」など「人」基準の賃金体系を採っている会社が多く、また、日本の企業は、正社員の終身雇用の慣行の中で、正社員の時間外勤務や人事異動や出向、昨今の派遣社員を中心とした非正規労働者の雇用調整などによって労働力を調整し、産業を発展させてきた経緯があるので、法制化によって国の力でその慣行を崩して一気に進めることが本当にいいのか疑問がある。


●どちらかといえば反対と答えた人の理由

・「同一労働」の定義について、個々の労働者の労働にあてはめることがそもそも難しいから。

・「同一労働同一賃金」の定義が明文化されたとしても、全ての職務に適合した文言が提示されるとは思えない。一定の基準を基に運用する制度では、多くの矛盾を生むだけであり、無用な労使間のトラブル発生を助長する原因と成りかねない。

・パート社員(弊社ではアルバイト社員と呼んでいる)は、正社員と同じ仕事をしていないため、イメージが沸かない。同じ処遇にするのであれば、パート社員を正社員として雇用し、パート社員をなくすほうが平等のように感じる。

・会社によってさまざまな事情、理由があるので、一括りにするのは難しい特に中小企業は、資金的にもしたくてもできない場合があると思う。

・契約社員よりスキルが高いという前提で正社員として採用されているにもかかわらず、契約社員と同じ賃金では正社員の意味がない。

・正規職員であることがモチベーション維持につながる場合がある。また非正規の場合、正規社員と同等の責任を負いたくない人もいると思うが、その勘案が難しいため。

・必要であれば最初から正規社員として採用しており、採用当初から非正規社員には必要な業務の役割しか担当してもらわない。非正規の場合は長期間採用を基本的に見越していないこと、単純作業が主で重要な業務を任せることを前提としていないため、お互いに納得した賃金であれば問題ないと思われる。


●わからないと答えた人の理由

・業務内容によって非正規でなければならないものもあるので、ケースバイケースだとしか言えない

・賃金を決定する裁量がなくなるような危惧を感じる。

・正社員、契約社員を分ける意味がなくなるのでは?

・同一労働同一賃金を悪いことだとは全く思わないが、終身雇用や年功序列システムの名残が社内にはあると思われる。そのため、一見成果主義を取り入れているような企業も、一部大手企業を除き、ほとんどがその成果を過小評価されているように感じる。